「ダーウィンの海」論的イノベーション・モデル

修正「リニア・モデル」論としての「死の谷」論や「ダーウィンの海」論
基礎研究・発明と応用研究・イノベーションの間に大きなギャップが存在するとするVernon Ehlers(元アメリカの下院科学委員会副議長)による「死の谷」論や、それを修正して多数の研究・発明がイノベーション・新ビジネスにたどり着くために激しい競争をするということを強調したBranscombほか(2002)の「ダーウィンの海」論もリニア・モデル論的イノベーション把握を前提としている。
「死の谷」論や「ダーウィンの海」論は図示したように、基礎研究と発明をギャップの左側に置き、応用研究・イノベーションをギャップの右側においている点でBush(1945)の議論とは少し差異がある。Faulkner (1994)の議論も、科学と技術の相互作用的関係を強調している点ではBush(1945)の議論とは少し異なるが、科学的インプットや技術的インプットがイノベーションの源泉となっていることを強調している点ではリニア・モデル論の系譜に位置づけることができる。
 
図1 「死の谷」論に関するイメージ図 図2 「ダーウィンの海」論に関するイメージ図
Branscomb-2002-Between_Invention_and_Innovation-p36 Branscomb-2002-Between_Invention_and_Innovation-p37
 
[参考文献]
 
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