background researchは、原子物理学や実験発生学(experimental embryology)など「実際的目的を意識的には持ってはいない」(with no practical objective consciously in view)研究である。
basic research は、土壌学(soil science)、気象学(meteorology)、動物育種学(animal breeding)など「まったく基本的な研究ではあるが、何らかの長期的な実際的目的を持つ」( “quite fundamental, but has some distant practical objective)研究である。
Huxley (1934)p.253では「それら二つのカテゴリーが純粋科学(pure science)と通常呼ばれているものを構成している」(Those two categories make up what is usually called “pure science”)とされている。
なお ad hoc researchは、発光を目的とする放電管研究、マラリア撲滅を目的とする蚊に関する研究など「直接的目的」(immediate objective)を持つ研究である。
development researchは、産業においてpilot reseachとも呼ばれているもので、「実験室での発見を商業的規模での量産へと変えるのに必要な研究」(the work needed to translate laboratory findings into full-scale commercial practice)である。
https://www.nauka.gov.pl/g2/oryginal/2013_05/9d6e85546afd8e4f71ff9c36ed0d091b.pdf
Calvert, J., Martin, B.R.(2001) “Changing Conceptions Of Basic Research?”Background Document for the Workshop on Policy Relevance and Measurement of Basic Research, Oslo 29-30 October 2001
http://unesdoc.unesco.org/images/0013/001372/137215fo.pdf
Godin, B.(2000) “Measuring Science: Is There “Basic Research” Without Statisstics?,” Project on the History and Sociology of S&T Statistitics
http://www.csiic.ca/pdf/godin_3.pdf
Godin, Benoît (2009) The Making Of Science, Technology And Innovation Policy:Conceptual Frameworks as Narratives, 1945-2005, Centre Urbanisation Culture Société, Institut national de la recherche scientifique, 201pp
Huxley,J. S. (1934) Scientific Research and Social Needs, London: Watts and Co.
http://www.oecd.org/sti/sci-tech/2674369.pdf
Stokes, D.E.(1997) Pasteur’s Quadrant: Basic Science and Technological Innovation, Brooking Institution Press
p.73のFigure 3-5
https://courses.cs.washington.edu/courses/cse510/16wi/readings/stokes_pasteurs_quadrant.pdf
著者の所属:日本原子力研究所理事長
純粋基礎研究=「どんな応用ができるかわからないが新しい現象や知識の探究」
目的基礎研究=「特定の目的に役立てるため現在不明な点の穴埋めをする研究」
全体としては、「目的基礎研究」に重点を置いている会社が63%、「純粋基礎研究)に重点を置いている会社が9%、両方を同程度に行なつている会社が28%という結果になっている。「第3-6表 基礎研究の実施状況およびその重点」(下記の図)に資本金別、業種別の詳しい調査結果のまとめがある。
この定義は,OECD諸国の研究開発や統計の専門家によって,研究開発の実態と統計作成の容易さ等を総合的に調和させて作成されたものである。
本報告書は、日立製作所基礎研究所長、味の素株式会社中央研究所基礎研究所長、東芝常務取締役総合研究所長、三菱重工業株式会社常務取締役技術本部長、ソニー株式会社R&D戦略グループ本部長、新日本製鐵株式会社取締役中央研究本部副本部長、石川島播磨重工業株式会社理事技術本部副部長・技術研究所長、三井東圧化学株式会社取締役総合研究所長、花王株式会社花王基礎科学研究所長理事、日本アイ・ビー・エム株式会社東京基礎研究所長、日本電気株式会社基礎研究所長など「主だった民間企業における基礎研究の運営や技術戦略企画立案の要職にある方々をお招きし、我が国の主要企業における「基礎研究」の実態とその考え方、あるいは管理運営上の諸問題の解明を目的として開催した」セミナーでの講演、および、そこでの科学技術政策研究所研究員及び科学技術庁の科学技術政策担当行政官などとの間の討論により構成されている