近代化と技術革新

高島善哉(1968)「近代化とは何か」高島善哉編(1968)『近代化の社会経済理論』第1章, p.20-「技術における近代化が近代化のシンボルとしてもっとも目につきやすく、具象的であることは否定できない。」
近代化といえば、何よりもまず技術における近代化と解するのが一般の常識である。技術革新という日常語がこの常識に照応する。いうまでもなく近代化は技術革新につきるものではない。けれども技術における近代化が近代化のシンボルとしてもっとも目につきやすく、具象的であることは否定できない。そればかりでなく、近代化の起動力は技術革新にあるという見方も、人びとの現実経験のうちに深く根ざしている。近代化の究極の起動力が技術にあるのか、それとも技術以外の要因(たとえば人間の精神力や組織力)にあるのかはしばらく別問題として、近代化といわれる歴史的社会的現象が、技術の異常な発展においてみられるということは疑いをいれない。だから技術が第一の近代化の要素としてとり上げられなければならないことも一応もっともであるといわなければならないであろう。」
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